災害時の身元確認として、歯型が多くの災害現場で活用されていることは御存じですか?
歯は、身体箇所の中でも、硬度が優れ、腐敗などに耐えることができる組織として、災害時などの身元確認として、そのデータが活用されてきました。
歯の形状は、個人個人に異なりがあり、千差万別です。外見からは分かりづらいですが、親子でも、歯の形状というものは近似することはありません。ですので、皆さんの、歯科で診察を受けた際の歯科データは、皆さんの身元を証明するものとして、重要な資料となるのです。
個人を識別するデータとして多く知られているものは、指紋、DNAなどがありますが、歯科所見はその中でも、大規模な災害時などに、その有効性が認められています。
何気なく通院している歯科医院ですが、皆さんの身元を歯科データとして残し、万が一の時の証人として、身元を証明してくれる役割を果たしてくれるのです。
そんな中で、災害という緊急時に、遺体の身元確認作業に出動を自ら願い出る歯科医師の存在があるということに、尊敬の意を覚えるばかりです。
災害時での身元確認作業は、過酷な状況と常に隣り合わせな上、膨大な労力と時間を費やす作業なはずです。なぜならば、私たちの歯科データは、本来、身元を証明するデータとして管理、保管されている訳ではなく、歯科医院が、個々の保管方法で、管理しているからです。
ですが、過去の事例を振り返ってみると、歯科データによる身元検索は、多くの行方不明者を家族も元へ送り届けたとメディアなどで報告されています。皆さんの地元の歯科医師さんも、皆さんの身元を知る唯一の一人として、皆さんの歯と存在を見守ってくれているかもしれません。